え!札幌にフェルメールがやってくる?
このポスターを見つけた時、それはもう興奮しました。
フェルメール全37点の リ・クリエイト作品を一堂に展示。
「フェルメール全37点」というサブタイトルの文言は、青春時代をオランダ語圏で過ごした私にとって胸熱必至なファクターであり、それ以下の説明はまったく目に入らず、エスタ(会場の駅ビル)を一気に11階まで駆け上りました。
リ・クリエイトとは
そして、入場料(道新ぶんぶんクラブ会員は700円)を払ってから、やっと気がつきました。
「re-create」とはなにか? つまり、単なる複製ではなくフェルメールが生きた時代に限りなく近い色彩を再現した創造物なのです。
そりゃそうですよね。札幌がいくら文化都市として高く評価されているとはいえ、フェルメールの原画を一堂に集めるなんてことは不可能であり、その一部を借りることができたとしても、通常はこの手のイベントを道立近代美術館で催します。 さて気を取り直し、まずは著名な作品から鑑賞してみましょう
ちなみに、フラッシュをたかなければ写真撮影は許可されています。
レースを編む女
「レースを編む女」は私も年間パスポートを持っていたルーブル美術館が所有しています。
うむ...たしかに原画より色鮮やかであり、フランドル(ベルギーのオランダ語圏を含む)の伝統として今でも受け継がれるボビンレースが最も輝いていた時代に思いを馳せます。
デルフトの町並み
通称をフェルメール(Vermeer)として知られる彼は"Jan van der Meer van Delft"と名乗ることもあり、デルフト焼きで有名な陶器の町出身であることを意味します。
今回の展示で私の胸を一番しめつけたのは、この重苦しい空模様。一人静かに過ごしたい休日はよくオランダ南部を訪れました。気温の割に夏の日差しが痛いほど目にしみるのも、フェルメールやレンブラントが織りなす光彩がまぶしいのも、この地方の陰鬱なコンテクストを共有しているからこそ発現する症状でしょう。
そして、ブリュッセル郊外でもよく見かけるタイプの素朴な家並み。
フラマン人の面影
シンプルに「少女」と名付けられたメトロポリタン美術館所蔵の肖像画はフェルメールの実子がモデルだという俗説があります。 私が暮らしていたブリュッセルはEUのお膝元であり、多種多様な市民で構成されていますが、「この人は確実にフラマン系(オランダ語共同体に属するゲルマン民族)」という顔があり、下の少女像がまさにその典型です。
薄くすき通る質感の肌の上に、絶妙なバランスで配置されている目・鼻・口。マチュアであることが女の価値を上げるフランスやイタリアとも異なる文化圏で、この骨格から生み出される笑顔がユニバーサルバリューとなることは接したことがない人でも容易に想像がつくのではないでしょうか。
青いターバンの私(笑)
フェルメール光の王国展inSAPPOROは2016年1月3日まで開催していますので、お正月休みはフランドルの光と影を堪能してみてください。 以上、真珠の耳飾りの元少女Aのレポートでした。皆様、よいお年をお迎えください。